インタビュー

園芸ハウス三輪では、農薬や除草剤を使わずに野菜や果物を育てています。

農家の三輪孝則さんは定年後の63歳に三宅島に移住してきました。畑の横には鶏小屋を建てて、夢だった養鶏もしています。

今回は、三輪さんに野菜作りを始めたきっかけや野菜作りに対する思いを聞きました。

子どもや孫たちに安心な野菜を食べさせたいという思いで始めた野菜作り

野菜作りを始めたきっかけや三宅島に移住した経緯を教えてください。

もともと生き物を育てるのが好きなんですよね。

水産会社に40年以上勤めてきて、育てる一環として家庭菜園をやったんです。せっかく作るなら子どもたちに健康な野菜を食べさせたい。農薬は体に悪いことを知っていたので食べさせたくなかったんです。虫が死ぬのって体に良いわけないじゃないですか。

定年を期に農家をすることはずっと考えてきました。三宅島に住んでいる友人がアシタバ農家をしてて一緒にやろうって誘ってくれたので三宅島に住むことを決めました。

三宅島で野菜を育てるにあたって大切にしていることはありますか?

農薬や除草剤を使わないで、子どもや孫たちに安心な野菜を作ること。これは昔から変わりません。やっぱり体にいいものを作りたいから。

農薬を使わないで野菜を作る大変さは何でしょうか。

農薬を使わないと土づくりからするのですごく時間がかかります。落ち葉をたくさんとってきて土とかき混ぜて堆肥を作って…それを1人でするんです。

やるのは土だけじゃない。ほうっておくと草がポコポコ生えてくるから草取りもしなきゃいけない。草取りも虫取りも全部1人でします。だから広い畑は無理だから小さくやってます。

なんとか1人の手で出来る方法を探しつつも、誰か手伝いに来てくれないかなって思っています(笑)

野菜を買ってくれて「おいしかったよ」と言ってくれたら無常の喜び

三宅島で農家をしてみてよかったこと、やりがいなどがあれば教えてください。

達成感があるし本当におもしろい。

自分で種をまいて芽が出て…かわいい芽が出てきてそれを食べられるようになったら楽しいじゃないですか。レモンの木があって最初は実が3個しかならなかったのに80個とかとれるようになるわけです。

それに自分で作った野菜を150円とかで買ってくれる人がいるってのは、嬉しいものですね、やっぱり。お金を出して買ってくれて「おいしかったよ」って言ってくれたら無常の喜びです。

今力をいれていること、これからやりたいことはありますか?

今力を入れているのがマイヤーレモンという種類です。ちょっと甘いのが特徴です。これが三宅島の風土に良く合って、農薬を使わなくても作れるんです。

今度島の中にレモン の木が増えて、三宅 島に遊びに来た人が「あ、素敵な島だね」って思ってもらえるとうれしいです。その下には明日葉を植えて…それを目指したいです。

それで島に移住してきてくれる人がもっと増えるようにしていきたいです。今はまだ収入をしっかりという風にはいかないから。もう少し経済としてなりたつ形にしたいですね。